2×4工法

ツーバイフォー住宅高性能の秘訣

耐火性

もはや常識となった、
火災に強いツ-バイフォ-住宅

ツ-バイフォ-住宅の場合、床や壁の枠組材などが、ファイヤ-ストップ材となって燃え広がりを防止します。また、ツ-バイフォ-住宅の構造材である木材は、火にあぶられても表面に炭化層ができるだけで中まで火が通らず、強度が低下しにくいという性質をもっています。こうしたツ-バイフォ-の優れた耐火性は、数多くの実験により裏付けられ、これまで発生した火災の事例などによって証明され、一定の基準を満たした建物は耐火建築物として認められています。省令準耐火構造として火災保険加入時も通常よりも安い価格で加入する事ができます。

木材のイメ-ジを変えた、
ツ-バイフォ-の高い耐火性
木造建築で日本初の耐火構造認定を取得

かつての日本の木造住宅は、内部から火が出ると15~20分ほどで全焼しました。しかし、ツ-バイフォ-工法が日本に導入されて以来、各室ごとに防火して延焼を防ぐという考え方が注目されています。ツ-バイフォ-工法が火に強い理由のひとつは、壁や天井などに不燃性の厚さ12mm以上の石膏ボ-ドが貼られているからです。ツ-バイフォ-が準耐火建築物としてコンクリ-ト造に準ずる位置づけがなされていることは、木造建築としては画期的なことといえ、そしてついに、2004年にツ-バイフォ-工法は、木造で日本初となる耐火構造認定(一般的仕様よりも更に高い耐火性を実現する仕様)を取得し、今では防火地域においても、4階建までの建築が可能になりました。

燃えにくく、延焼に強いため、火災の被害は最小限火災事故で証明されたツ-バイフォ-の高い耐火性

ツ-バイフォ-工法の耐火建築(一般的仕様よりも更に高い耐火性を実現する仕様)である1棟8戸の重層長屋の一室から失火する事故がありました。しかし、隣室や階下の各室は影響を受けず、当日からそのまま居住されています。改修工事の過程では構造材に一切焦げ目がないことが実証され、室内側の石膏ボ-ドを取り外し、設備機器類や断熱材の交換、ボ-ド貼りなどの改修工事で、失火した部屋も再び居住可能となりました。さらに、消火活動時の大量放水にかかわらず、真下の住戸にはその影響もほとんどありません。これはツ-バイフォ-が本来持つ、床・壁・天井の一体化による特性です。加えて火の進行を遮るファイヤ-ストップ構造も高い耐火性を実現している大きなポイントのひとつです。

木は意外と火に強い

木は火に弱いとお考えではありませんか?実は、木の家は、耐火性にも優れています。

実は「木は火に強い」

木は火に弱いとお考えではありませんか?実は、木の家は、耐火性にも優れています。
木は火に弱い、とお考えではありませんか?確かに木材は燃えやすい性質を持っています。しかし、ある程度の太さや厚さがある(つまり断面が大きい)木材は、いったん燃えても表面に炭化層をつくるだけ。火は内部まで進行しないため、強度が低下しにくいという性質をもっています。700~950℃にまで達するといわれる現実の火災においても、実大火災実験の結果などから、これは事実として確認されています。

温度に対する材質の変化率

木材と鉄骨の耐火性比較実験

常温で強度が同一の木材と鉄骨を使った実験です。木材は構造材として使われるツーバイテン材(76×235mm)。鉄骨はリップみぞ型鋼(150×75×20mm 厚さ3.2mm)。それぞれに500kgの重量をかけ、約1000℃まで加熱しています。
ツーバイフォー構造材は、加熱5分経過してもほとんど変形はありません。同じ加熱時間で鉄骨部材の場合は変形が始まりました。

強さの秘訣はファイヤーストップ構造

ツーバイフォーの「ファイヤーストップ構造」

ツーバイフォー住宅の場合、火の通り道となる床や壁の枠組材などが、ファイヤーストップ材となって空気の流れを遮断し、上階へ火が燃え広がるのをくい止めます。
また床根太、枠組材などが一定間隔で組まれている床や壁の内部構造は、防火区域がいくつもつくられているのと同じ状態です。この一つひとつの区画によって火の進行はさらに遅くなります。火災時に防火被覆(石こうボード)が万一突破されても、このように2重3重の防火機能をもつ「ファイヤーストップ構造」によって、ツーバイフォー住宅は初期消火の可能性が高く、火災時の被害を最小限に抑えます。

石こうボードでさらに耐火性アップ

ツーバイフォーでは、すべての天井や壁の内側全体に、厚さ12mm以上の石こうボードが貼られます。石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こして約20分もの間、水蒸気を放出するという優れた特性を発揮します。このため火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が発火点(約450℃)に達するまでの時間を大きく遅らせる事ができます。また床・壁の内部に埋め込まれる断熱材も、火災時の熱が構造材に伝わりにくくし、石こうボードとともに木材の発火を遅らせます。これによりツーバイフォー住宅の耐火性は、さらに高くなっています。

もらい火にも強いツーバイフォー住宅

隣家で火災が発生した場合、外壁の表面温度は800℃以上にも達するといわれますが、ツーバイフォー住宅はもちまえの優れた耐火性で類焼を防ぎます。

出火元住宅の解体後、姿を現したツーバイフォー住宅の西側の外壁。隣家との距離はわずか40cmであるにもかかわらず、表面の色がこげる程度の被害ですんでいる。

耐震性

震度7の大地震が実証した、
ツ-バイフォ-住宅の強さ

世界有数の地震国である日本において、「耐震性」は住まいに求められる重要な基本性能のひとつです。事実、1995年1月17日の阪神・淡路大震災と2004年の10月23日の新潟県中越地震によって、いまだ忘れることのできない無数の被害が発生しました。その中で幸いにもツ-バイフォ-住宅は大事にいたらず、多数の事例において優れた耐震性を実証することができました。さらに、これまでに行われた実験でも、地震にきわめて強いという結果が立証されています。

ツ-バイフォ-住宅を特徴づけるのは「面構造」です
ツ-バイフォ-住宅の優れた特徴は、
すべて「面構造」が基本となっています

北米生まれの「ツ-バイフォ-工法」は、日本古来の「軸組工法」とはまったく異なる考え方の建築工法です。もっとも大きな違いは、建物の支え方です。ツ-バイフォ-工法は床・壁・屋根が初めから面としてつくられ、その面(六面体)で箱をつくるように家をカタチづくります。気密性や断熱性、シンプルで合理的な施工など、ツ-バイフォ-住宅が備えている優れた特徴は、すべてこの「面構造」が基本となって実現されています。

やっぱりツ-バイフォ-住宅は強かった実証したのは、たび重なる大地震でした

阪神・淡路大震災にも耐えた
1995年1月17日、兵庫県南部を襲った阪神・淡路大震災。
この地震による家屋の被害は、全壊約10万1,000棟、半壊を含めた一部損壊が約28万9,000棟以上でした。死者の約9割にあたる人が建物の倒壊による犠牲者といわれています。しかし、このような破滅的な状況下でさえ、ツ-バイフォ-住宅に大きな被害はありませんでした。日本ツ-バイフォ-建築協会の調査では、被害地のツ-バイフォ-住宅のうち97%がとくに補修をしなくても継続して居住可能な状態を保ったことがわかっています。

新潟県中越地震でも強さを証明
2004年10月23日、新潟県中越地方を中心に、マグニチュ-ド6.8、最大震度7の大地震が襲いました。発生が想定されていなかった地域での大地震であり、あらためて日本列島が地震列島であることを実感させられました。家屋の被害は全壊・半壊が約1万8,800棟、一部損壊を含めると全部で約9万棟もの住宅が損壊の被害に遭ったといわれています。そして、ここでもツ-バイフォ-住宅の大きな被害は報告されていません。

面構造とダイヤフラム

ツーバイフォー住宅は地震に強い」そういわれるのには理由があります

6面体で支えるモノコック構造だから地震に強い

世界有数の地震国である日本において、住宅の「耐震性」はもっとも重要な基本性能です。日本でツーバイフォー住宅が着実に増えている大きな理由はここにあります。床・壁・屋根が一体となったモノコック構造のツーバイフォー住宅は、震度の揺れを6面体の建物全体で受け止めて力を分散させます。地震力が一部分に集中することがないため倒壊・損傷がなく、地震に対して抜群の強さを発揮します。

揺れを面全体で受け止めるツーバイフォー住宅

ツーバイフォー住宅と在来鉄骨軸組工法による住宅に、それぞれの建物の重さに比例した力を加えて、その伝わり方を比較したものです。
色が黄・赤に近いほど負荷が大きいことを示します。

ツーバイフォー住宅
枠組みされた木部分と構造用合板が「面」
となって、揺れの力を受け止め、分散・
吸収していることがわかります。

在来鉄骨軸組工法の住宅
加えた力が柱や接合部などに集中。部分的に
負担がかかりやすい構造であることがわかります。

気密性と面構造

暖冷房エネルギーのロスを減らすには、建物の隙間をふさぐことで気密性を高めることが重要です。
モノコック構造のツーバイフォー工法はこの点からも優れています。

気密施工に向いたツーバイフォー工法

ツーバイフォー工法の特徴である床版・壁を組み立てる方式のため、気密性を確保しやすい工法となっています。
また、室内側の石こうボードの下側に全面に住宅用プラスチック系防湿フィルムなどを貼ることで、相当隙間面積(C値)を少なくでき、湿気による壁内結露などを防ぐことが出来ます。

必要に応じて建物の気密性能の指標となるC値を測定

相当隙間面積(cm2/m2)は、建物内外の圧力差が9.8Paのときの総相当隙間面積(cm2)を、延床面積(m2)当たりで示したものです。この値が小さいほど、気密性が高いことになります。

歴史が語るツーバイフォー住宅

ツーバイフォーで建てられた長寿の建築物は国内外に多く現存しています。
いまなお人々に愛され続けている歴史的建造物の数々は、ツーバイフォー住宅の優れた耐久性を、何より雄弁に語り尽くしています。

冨永様邸外観

(大正14年頃建築/兵庫・神戸)
まさに阪神淡路大震災の被災地域の真っ只中に建っていますが、ほとんど無傷のままです。

自由学園 明日館

(大正10年建築/東京・池袋)
帝国ホテル旧本館と同じフランク・ロイド・ライトの設計です。
国の重要文化財。

神奈川県・大磯町

(明治45年頃の建築)
貿易商木下建平氏の別荘として建てられ、その後山口勝蔵氏が所有した洋館住宅。
昭和30年頃よりレストランとして利用され、その後もイタリアン料理のレストランとして使い続けられていました。

旧近藤邸

(大正14年建築/神奈川・藤沢)
近藤賢二邸の別荘として、遠藤新(フランク・ロイド・ライトに6年間師事)が設計しました。
1981年3月、藤沢市民会館の前庭に移設。